Encounter

セルフ透析との出会い

フランスで
透析医療機関での出来事。

約10年、私は患者さんとフランスの透析施設を訪れた時の光景は大変印象的で今でも鮮明に覚えています。
フランスでは患者さんがご自身で透析を実施する施設がありました。

その施設は小規模ながら広々としたスペースでインテリアは病院臭さが微塵もありませんでした。またこの施設ではエキスパートナースとヘルプの方がいるだけの施設でした。

訪問時男性の透析患者さんは大きなフランスパンのサンドイッチを頬張っていました。少し離れたところでは、透析をしながら熱心にパソコンに向かっている青年がいました。あまり熱心な姿だったので何をしているのか聞いたところ「ロボット工学専攻の大学院の学生で、透析中に論文を書いているんです」彼は知的な顔を微笑みでいっぱいにしてこう答えました。お二人とも、透析していなければ普通の人と変わらず、生き生きして充実している人生を送っていることが一目でわかりました。

日本とフランスでは医療制度が異なります。また、もちろん透析患者さんですから、健常人とは異なります。しかし、透析の4時間という時間の価値を高めるかどうかは、患者さんの自由意志です。時間の価値を高めるための舞台装置を作ることができれば患者さんの人生が大きく変わることを思うと、可能な限り自由度を高めることが何より重要だと思いました。

透析治療において、自由で快適な空間がどれほど重要かを実感した瞬間でした。

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