足のむくみが続くと、「腎臓が悪いのでは」と心配になる方もいるでしょう。腎機能が低下すると、余分な水分や塩分を体外へ排出しにくくなり、足などにむくみが現れることがあります。
この記事では、腎臓と足のむくみの関係や特徴、注意したい腎臓病、受診の目安を解説します。
腎機能が低下すると足がむくみやすくなるのはなぜ?
腎臓には、血液をろ過して余分な水分や老廃物を尿として排出する働きがあります。また、ナトリウムなどの電解質を調節し、体内の水分量を一定に保つことも腎臓の重要な役割の一つです。
腎機能が低下すると、余分な水分を十分に尿として排出できなくなり、体内に水分がたまりやすくなります。余分な水分が皮下組織にたまると、むくみとして現れます。足は重力の影響を受けるため、足首やくるぶしの周辺からむくみが目立ちやすいのが特徴です。
ただし、足のむくみがあるからといって、原因が腎臓のみにあるとは限りません。心臓や甲状腺の機能低下、下肢静脈瘤、リンパの流れの障害などでもむくみは起こります。むくみの有無だけで原因を判断せず、ほかの症状や検査結果とあわせて確認することが大切です。
厚生労働省|みんなで知ろう! からだのこと わたしたちの身近な病気や、からだの働きをわかりやすく届けます。第7回 慢性腎臓病(CKD)ってなぁに?

腎臓が原因の足のむくみに見られやすい特徴
腎臓の病気によるむくみは、左右両方の足に現れやすいことが特徴の一つです。体内の水分が増えると、重力の影響によって足首のくるぶし付近からむくみ始めることがあります。
指で押した痕(あと)が残ることがある
むくんでいる部分を指で押したとき、へこんだ痕がしばらく残ることがあります。これは「圧痕性浮腫」と呼ばれる状態です。ただし、押した痕が残るむくみは腎臓病だけにみられるものではないため、この特徴だけで腎臓病かどうかを判断することはできません。
体重増加や尿の変化を伴うことがある
体内に余分な水分がたまると、むくみと並行して短期間で体重が増加することがあります。さらに、尿量の変化や尿の泡立ち、血尿などを伴う場合もあります。ただし、こうした変化だけで腎機能の低下を判断することはできません。肉眼では変化がわからない場合でも、尿検査によって初めて蛋白や潜血が見つかる例もあります。
一般社団法人 日本腎臓学会 腎臓の病気について調べる 3.腎臓がわるくなったときの症状
足のむくみが続くときに注意したい腎臓病と受診の目安

足のむくみが続いている場合には、慢性腎臓病(CKD)やネフローゼ症候群などが関係していることがあります。ただし、むくみだけでは病気を特定できません。尿検査や血液検査などによって腎臓の状態を確認します。
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)は、蛋白尿などの腎障害や腎機能の低下が3ヶ月以上続いている状態です。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると余分な水分などが体内にたまり、むくみやだるさが現れることがあります。
腎機能は、血液中のクレアチニン値などから算出するeGFRで評価します。また、尿検査で蛋白尿があるかを確認することも重要です。健康診断などで蛋白尿やeGFRの低下を指摘された場合は、自覚症状がなくても医療機関を受診しましょう。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は、多量の蛋白が尿に漏れ、血液中の蛋白が少なくなることで、むくみなどが生じる病気です。
むくみだけでネフローゼ症候群と判断することはできません。尿蛋白の量や血液中のアルブミン値、腎機能などを調べて診断します。足のむくみに加えて尿の泡立ちなどの変化が続く場合や、健康診断で蛋白尿を指摘されている場合は、放置せず医療機関へ相談しましょう。
足のむくみが続く場合は受診を検討する
足のむくみが続く、以前よりむくみが強くなった、体重が増えてきた、尿量が減ったなどの変化がある場合は、医療機関で相談しましょう。尿蛋白や血尿を指摘されている場合や、健康診断でeGFRの低下を指摘された場合も受診の目安となります。
片方の足だけが急に腫れた、痛みや赤みを伴うといった場合は、腎臓以外の病気が原因の可能性もあります。さらに、胸の痛みや息苦しさなどを伴う場合には、早急な受診が必要です。片側の足のむくみや痛み、胸痛、息切れなどは、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの症状である可能性があります。
厚生労働省 深部静脈血栓症/肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)について
まとめ
腎機能が低下すると、体内の余分な水分を十分に排出できなくなり、足などにむくみが現れることがあります。腎臓の病気によるむくみには、両足に現れやすい、指で押した痕が残る、体重増加や尿の変化を伴うといった特徴があります。
ただし、足のむくみは腎臓病以外でも起こります。むくみが続く場合や、蛋白尿・血尿、尿量の減少などがある場合は、原因を確認するために医療機関へ相談しましょう。




