【タイプは3つ】糖尿病の入院治療の種類と違いって?

糖尿病の基礎知識
【タイプは3つ】糖尿病の入院治療の種類と違いって?

糖尿病は別名「サイレントモンスター」と呼びたくなるほどの手強い相手です。

5年、10年という長い年月をかけて身体をむしばんでいきます。まったく自覚症状がなく病気が進む場合も多く、糖尿病が進行し血液透析となってしまう患者さんは毎年1万6千人以上にも上ります。

そんな進行に注意が必要な糖尿病ですが、進行を予防するための「教育」や「検査」のために入院が必要になることがあります。

一概に入院といってもタイプによって入院期間や費用に違いがあります。今回はそんな糖尿病の入院について詳しくみていきましょう。

糖尿病における入院の3つの種類とは

糖尿病は一度発症すると食事療法や服薬などで血糖コントロールしつつ、合併症が発症・進行しないように生活に制限を加えなければなりません。

平成26年の厚生労働省の統計によると、糖尿病の総患者数は約316万人、医療機関で治療している人は約22万、入院患者数は約2万人となっています。つまり、糖尿病患者のうち約10人に1人は入院で治療している計算になります。

そんな糖尿病の入院には主に「検査」「教育」「治療」と3種類のタイプがあります。糖尿病の入院は、一般的な病気の治療や手術などを受ける「治療」を目的とした入院以外にも「検査」「教育」を目的とする場合があることが特徴です。

重度な糖尿病に進行しないために糖尿病の検査はできるだけ積極的に受けることが大切です。

糖尿病と入院1:検査入院

糖尿病と検査入院

合併症や各臓器へのダメージの状態を把握し、いち早く対処するために行われるのが「検査入院」です。具体的には沈黙の臓器と言われる肝臓や膵臓の状態などをチェックします。動脈硬化や、糖尿病性腎症、網膜症などの全身にわたる合併症を回避することが目的です。

糖尿病の進行度は6段階に分けることができ、段階に合った治療が必要になります。

検査入院の一例

  • 入院の目安:入院期間は3日~1週間程度
  • 入院費用:約3~約5万円(自己負担額の目安)

糖尿病と入院2:教育入院

糖尿病と教育入院

疾患や生活習慣を学んで血糖コントロールを目指します。「教育入院」を一言でいうと、糖尿病治療のための、食事や運動などの生活習慣を学ぶ・教育してもらうための入院です。

頭と身体で糖尿病の克服・症状安定を目指します。定期的検診を受け、早期発見、早期治療を受けることが重要になります。

検査入院の一例

  • 入院の目安:入院期間は1~2週間(病院によって3~5日程度の短期入院プログラムを実施している病院も)
  • 入院費用:約3万~約16万円(自己負担額の目安)

糖尿病と入院3:治療入院

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上記2つの入院とは異なり、緊急を要する入院です。糖尿病の急性合併症の発症などによる治療を行うために入院します。

治療入院を要する患者さんは重度の場合が多く、速やかな対処を行わなければ命に関わることもあります。入院治療により集中的に治療が進められます。

糖尿病性腎症が重症化している状態で、全身の細動脈も冒されてる恐れがあるために、他の合併症も検査の必要があります。

検査入院の一例

  • 入院の期間:2週間~1カ月程度(症状によりさまざまなのであくまでも目安)
  • 入院費用:約3万円~約16万円以上(限度額適用認定証の利用で9万円)

費用はインスリンなどの薬物療法を含むので少々高額となります。ですが限度額認定証の申請をしておくと、窓口での支払いは小額で済みます。

※限度額適用認定証は、健康保険組合に申請し交付してもらいます。「自己負担限度額」を超える高額な医療費となる場合、病院の窓口で提示することで医療費の支払い額を国が定める「自己負担限度額」までにとどめることができます。

まとめ

特に教育入院治療を行った人の多くは改善傾向にあると言われています。糖尿病は生活習慣が要因のひとつとして引き起こされる病気です。その点からも、病気の進行を遅らせるために教育入院が必要になる場合があります。

また、入院の種類によって入院期間・費用にも違いがあるので分からないことは医師とよく相談し、治療費サポートについても一度聞いてみることをお薦めします。

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