糖尿病だってラーメンが食べたい!けど、やっぱりダメ?

糖尿病の基礎知識
糖尿病だってラーメンが食べたい!けど、やっぱりダメ?

ラーメンが無性に食べたくなるときってありますよね?でも、ラーメンのイメージとして、カロリーが高い、塩分が高い、脂質が多いなどがあり、食べてはダメなのでは?と思う糖尿病の方もいらっしゃるでしょう。糖尿病だと、ラーメンは諦めなければならないのでしょうか。

この記事では、糖尿病患者がラーメンを食べるときの注意点やラーメンのレシピなどについて紹介しています。

糖尿病患者はラーメン禁止?

糖尿病患者だからラーメンは禁止ということはありません。しかし、食べ方に注意が必要なのは確かです。その理由として、糖質が多い、塩分が多い、脂質が多いことが挙げられます。

塩分・脂質が多いラーメンのスープ

糖質が多い

ラーメンは炭水化物の中華麺がメインの料理です。炭水化物は食べるとブドウ糖となり、血糖値が上昇しますので、糖質の制限が必要です。

市販のゆでタイプの麺は約120gですが、ラーメン屋で提供される麺の量は並盛でも200gを超えるお店もあります。麺200gに含まれる糖質は58.4g。白米150gの糖質が57.2gですので、同じくらいの糖質量となります。(出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)

ラーメンにご飯の組み合わせや替え玉を食べてしまうと糖質の摂りすぎに。少なめの麺で注文するなど、調整して楽しみましょう。

塩分が多い

ラーメンのスープには塩分が多く含まれます。一般的なしょうゆラーメンのスープの塩分量は約6gです。(出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)カップラーメンは1食あたり塩分量が6gを超えるものもあります。糖尿病で透析を受けている場合は、慢性透析患者の食事療法基準の1日の塩分量6gをラーメン一杯でとってしまうことになるのです。

塩分の多い料理は、高血圧を招くほか、食が進んでつい食べすぎや飲みすぎにつながり、体重増加の原因となります。ラーメンの麺やトッピングのチャーシュー、煮卵、メンマ、練り物などにも塩分が多く含まれるので、スープは残す、麺は少なめで注文する、トッピングは控えるなど、塩分を摂りすぎないように工夫しましょう。

脂質が多い

脂質の多い食事は脂質異常症を発症させます。ラーメンのスープは豚骨、鶏がら、豚バラ肉、ラードなど動物性脂質がたっぷりと含まれているのが特徴です。トッピングの背あぶら、脂質の多い豚バラチャーシューなどものせてしまうと脂質、カロリーともに跳ね上がります。

カップラーメン1食の脂質は約15g。1.5倍サイズのものになると脂質が20gのものもあります。1日の食事全体のバランスを考えてラーメンだけで脂質を摂りすぎてしまわないことが大切です。

参考:嗜好品を食べたい場合の量の目安

糖尿病でも食べられるラーメンレシピ

糖尿病でもラーメンをどうしても食べたいというときがあるでしょう。お店のラーメンは麺やスープの量、トッピングの調整などに限られますが、家で調理すると糖質、脂質、塩分を抑えたラーメンができます。

市販のものでも低糖質、無塩、減塩タイプの麺やスープがあります。麺は低糖質や無塩のものを選び、減塩のだしやブイヨンでスープを作って、茹でたネギやもやし、キャベツなどの野菜をトッピングしてみてはいかがでしょうか。麺はノンフライのものを選ぶとカロリーもカットできます。

家で調理するラーメン

ラーメンのレシピ(1人分)材料:

  • 低糖質・無塩の中華麺(1食分)
  • 減塩タイプのスープ(1食分)
  • 野菜(もやしやキャベツなど適量)

作り方:

  • ① 野菜を食べやすい大きさにカットする
  • ② 低糖質や無塩の麺をゆでる
  • ③ 茹で上がる少し前に野菜も入れて一緒に火を通す(野菜はレンジ調理も可能ですがカリウム制限のある方は茹でこぼしましょう)
  • ④ 減塩タイプのだしのもとでスープを作る
  • ⑤ スープに麺と野菜を盛り付けて完成

インスタントラーメンで調整食品もありますが、糖質、塩分、脂質すべてが調整されているわけではないので、確認してから購入しましょう。調整食品だからといって食べすぎは禁物です。

参考:減塩だし
参考:無塩製麺

ラーメン以外の食生活にも気をつけましょう

健康的な食事

糖尿病の食事において、食べる量を減らせばよい、脂質を摂らずに低カロリーのものだけ食べればよい、炭水化物を摂らなければよいわけではありません。

その人に合ったエネルギー量をもとに、炭水化物、たんぱく質、脂質の量を推定し、栄養素をバランスよく摂ることが大事です。そのため、主治医や管理栄養士の指導に従った食事療法を心がけましょう。

ラーメン以外のうどんやスパゲッテイなどの麺類や丼ものなどの一皿料理は栄養が偏りやすいメニューです。外食時にはいろいろな栄養素を摂りやすい定食タイプのメニューを選び、脂質の多い揚げ物、ファーストフード、糖質の多い甘い食べ物などの摂りすぎに気を付けましょう。

食事だけではなく、飲み物も砂糖がたくさん入ったジュースや甘いコーヒーではなく、お茶や水、無糖のコーヒーなどを選択するように心がけましょう。

参考:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

まとめ

食事療法が必要な糖尿病でも、絶対に食べてはいけないものはありません。ラーメンも食べてはダメなわけではないのです。ただし、ラーメンには糖質、塩分、脂質が多く含まれていることを知り、できる限り、制限したい栄養素を控えながら、バランスよく食べられるように調整することが大切です。1日の食事全体でバランスをとるなどの工夫も必要でしょう。栄養素の偏りや食べすぎに注意して、食事を楽しみましょう。

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