空腹時血糖値150とはどのような値なのでしょうか。健康診断などで採血して測る血糖値は空腹時血糖値である場合がほとんどです。空腹時血糖値や150という値が何を示すか、また空腹時血糖値が高かった場合に空腹時血糖値を下げるには何をすればよいかを詳しく説明していきます。
空腹時血糖値とは?
空腹時血糖値は、採血により測定されます。特定健康診査では「絶食10時間以上」1)の状態で測定されると定められています。
たとえば、午前中に健康診断を受ける場合、前日の夕食後は水や白湯など水分以外の摂取を控えるよう指導されます。多くの場合、夜の21時までに夕食を済ませるように言われることが多いですが、検査を受ける医療機関や時間帯により異なるため、注意事項をよく確認してください。
1)国立医療保健科学院 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年版)の変更点について
150はセーフ?空腹時血糖値の正常値
空腹時血糖値150という値について、空腹時血糖値の保健指導の判定値や詳しい区分をふまえて説明していきます。
空腹時血糖値の保健指導における判定値と区分
空腹時血糖値の保健指導における判定値は100mg/dL以上となります。2)再検査や生活習慣の見直しなど、医療機関での受診管理が必要とされるのは126mg/dL以上の値です。2)
また、糖尿病診療ガイドライン2024では、空腹時血糖値は100mg/dl未満が正常値、100~109 mg/dLが正常高値、110~125 mg/dLが境界型、126 mg/dL以上が糖尿病型と区分されています。2)(表1参照)
区分 | 空腹時血糖値 | |
---|---|---|
正常型 |
正常値 | 100mg/dl未満 |
正常高値 | 100~109 mg/dL | |
境界型 | 110~125 mg/dL | |
糖尿病型 | 126 mg/dL以上 |
表1 空腹時血糖値の区分
米国糖尿病学会(ADA)は2003年に、空腹時血糖の正常上限を110mg/dlから100mg/dlに引き下げました。これを受け、日本でもガイドライン改訂時に100mg/dl以上を「正常高値」とする考え方が採用されました。
空腹時血糖値が100~109mg/dlの方は、将来的に糖尿病になるリスクがあります。経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うと耐糖能異常がみられる場合が多いため、正常型の中でも注意すべき正常高値とされ、詳しい検査を受けることが推奨されています。
空腹時血糖値150mg/dlはセーフかアウトか
空腹時血糖値150 mg/dLは126mg/dlを大きく超えており、糖尿病型の数値です。空腹時血糖値が150mg/dlで、以下のいずれかを満たす場合は糖尿病と診断されます。3)
- 糖尿病の典型的症状である口の渇き、水分を多くとる、尿がたくさん出る、体重が減るといった症状がある
- 糖尿病網膜症が確実にみられる
糖尿病は心疾患、脳卒中、腎障害、神経障害、網膜症などを引き起こすため、早期の対策が重要です。健康診断などで空腹時血糖値が150mg/dlの場合は医療機関を受診し、適切な診断・治療を受けるとともに、生活習慣の見直しも図っていく必要があります。
検査を受ける前に糖尿病の典型的な症状がみられる場合もかかりつけ医、もしくはかかりつけ医がいない場合は内科や糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科などを受診し、相談しましょう。
2)一般社団法人日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2024
3)糖尿病・糖代謝異常に関する診断基準検討委員会報告―空腹時血糖値の正常域に関する新区分
空腹時血糖値を下げるには
空腹時血糖値を下げるには、食事療法と運動療法を中心に行います。
食事療法
食事療法では以下が推奨されています。4)
肥満の場合は摂取エネルギー量を制限し、適正体重を目指す
ご飯、魚、野菜、海藻を中心とした日本食に加え、果物や乳製品をとる
栄養バランスのとれた食事をとる
食後の血糖値の変動にも注意し、食事の内容や食べる順序を考慮することが必要です。また、合併症がある場合は塩分、たんぱく質、コレステロールの制限など、栄養士や医師の指導にも従い、毎日の食事をおいしくとっていきましょう。
運動療法
糖尿病診療ガイドラインより以下の運動が推奨されています。2)5)
- 150分/週以上(3日/週以上かつ2日以上運動しない日が続かない)の中強度(3~5.9メッツ)~強度(6メッツ以上)の有酸素運動(表2参照)
- 2~3日/週(連続しない日程)でのレジスタンス運動(腹筋・背筋・太もも・お尻の筋肉などの主要な筋肉を含む5種類以上の筋力トレーニング)
メッツ | おもな運動 |
---|---|
3.0 | ウォーキング |
3.5 | 体操 |
4.0 | 速歩き、水中運動、卓球 |
4.5 | バドミントン、ゴルフ |
5.0 | ソフトボール、野球 |
6.0 | ゆっくり泳ぐ |
6.5 | エアロビクス |
7.0 | ジョギング、サッカーテニス |
7.5 | 山登り |
8.0 | サイクリング、ランニング |
表2 メッツと主な運動
出典:厚生労働省 身体活動・運動の単位より作成
4)厚生労働省資料 糖尿病の「発症予防」と 「重症化予防」の観点から、 日本人の食事を考える
5)厚生労働省 身体活動・運動の単位
まとめ
空腹時血糖値が150mg/dlの場合、糖尿病である可能性が高い状態です。早めに医療機関を受診して適切な診断と治療を受けましょう。また、空腹時血糖値を下げるには、日常生活における食事と運動も大切です。食生活の改善や定期的な運動を行い、血糖値のコントロールや適正体重の管理を行いましょう。