アルコールは飲んじゃダメ?糖尿病とお酒の上手なつきあい方

食事療法
アルコールは飲んじゃダメ?糖尿病とお酒の上手なつきあい方

アルコールはストレスを緩和させる作用などもありますが、過度の飲酒は肝臓や膵臓に負担をかけます。糖尿病を治療中の方は悪影響を及ぼすことも。

ですが、お酒が大好きな人であれば禁酒令はストレスにつながることでしょう。また、仕事上お酒を飲む機会が多い人もいるでしょう。そこで今回は賢いお酒との付き合い方を考えてみたいと思います。

糖尿病の人はお酒を飲んでも良いの?

飲酒習慣のある方にとってお酒をやめるのは厳しい行為ですね。ほどほどでやめるつもりでも、酒の勢いでついつい飲み過ぎてしまうという人も多いことでしょう。アルコールは、1g当たり7キロカロリーある炭水化物系の特殊な高カロリー食品です。

また、栄養素がほとんど含まれていないのでごはん、麺、パンなどの食品と栄養素を交換することはできません。エネルギー量が同じだから、お酒を飲んだ分だけ減らせばよいということができません。

まず前置きがあります。飲酒して良い人は、医師から許可が出ている人だけです。食事療法になれてきて、合併症がなく、血糖値のコントロールがうまくいっている場合に限り医師からの飲酒の許可がおります。

    小量のお酒を飲んでいい人の5つの条件

  • 合併症がなく血糖のコントロールが良好
  • 膵臓・肝臓に異常がない
  • 動脈硬化の心配がない
  • 肥満・高血圧の心配がない
  • 決まった酒量を厳守できる

ビール大ビン1本を飲んだ場合、健康な人なら血糖値は10~15mg/dlしか上昇しません。しかし、糖尿病の方は40~60mg/dl上昇しますので、飲む場合、肝に銘じてください。

強いお酒は水割りなどにして薄め、ごく少量。付き合い酒ではできるだけ減らすようにして、参加する場合は「つぎ上手」を心がけて飲みすぎない工夫をしましょう。

お酒を飲む時の注意点について

糖尿病の方は「食品交換表」によるアルコール量(アルコール度数×容量)がポイントになります。透析患者さんは、それに加え水分量(容量)が影響します。ビールなら中瓶1本(500ml)、日本酒なら1合、焼酎のお湯割り1杯、グラスワイン2杯までが目安です。

「買い置きを控える」「ビールなら1日に飲む分だけ冷蔵庫に入れる」など工夫すると良いでしょう。また、お酒は食事の代わりにはなりません。

アルコール性低血糖に要注意!

お酒を飲むと、肝臓での糖代謝(糖新生)よりも、体にとって毒物と認識されるアルコールの分解が優先されます。そのため、食事をせずに血糖値が低下している状態であったとしても、糖新生がされず低血糖状態になることがあります。

これを「アルコール性低血糖」といいます。つまりアルコール分解がされている間は低血糖を起こしやすい状況ですので、食事をせずに大量または長時間の飲酒は大変危険なのです。

また、お酒を飲む前後に経口血糖降下剤を服用したり、インスリン注射を打ってしまうと、低血糖の危険性が更に高まります。お酒はあくまでも「嗜好品」です。

お酒を多く飲むために食事の量を減らしては絶対にいけません。空腹で飲むことも絶対に避けましょう。

お酒のおつまみと上手に付き合おう

糖尿病とお酒の上手なつきあい方

お酒を飲む場合、アルコール摂取と共に酒の肴(食事)の取り方が大きな問題になることがあります。食欲が増進し、抑制がきかなくなるからです。揚げ物やスナック菓子など「高エネルギー」「高塩分」「動物性タンパク質」などのおつまみを多くとりがちになります。

これらばかりでは摂取カロリーオーバーになり血糖値を悪化させてしまいます。野菜やキノコ、海藻などヘルシーな食材を使ったおつまみを食べたり、網焼きなど油を使わない調理法にしてエネルギーを抑えて召し上がってください。

まとめ

アルコールは「適量を守る」「おつまみのエネルギーも一日の摂取エネルギーの中におさめる」ことが大原則です。

お酒は食欲を増進させエネルギーコントロールを乱します。小量飲んで良い場合でも、適量を必ず守りましょう。それが糖尿病の人のお酒を飲むときのルールです。アルコールと楽しく付き合うためにも、お酒を飲む時のポイントをしっかり守って下さいね。

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