糖尿病患者も海外旅行する時代!持ち物・機内食・医療保険のポイントまとめ

糖尿病の基礎知識
糖尿病患者も海外旅行する時代!持ち物・機内食・医療保険のポイントまとめ

糖尿病患者が医師にする質問で意外と多いのが、「糖尿病でも海外旅行へ行くことはできますか?」というものです。

今回は糖尿病患者の“海外旅行”のポイントをまとめてみました。

実際、糖尿病患者も多くの方が海外旅行を楽しんでいます。

ご存知ですか?日本人の海外出国者はこんなにいます

近年、海外からの旅行客がクローズアップされていますが、日本人の海外旅行者は外国人観光客よりも多く、不景気と言われる昨今でも昔と変わりません。

海外旅行に出かける日本人は毎年7月から8月にかけてピークを迎え、この時期だけで250万人を超えます。その中には、糖尿病の治療を続けながら、仕事や観光で海外に行くという人もたくさんいるのです。

糖尿病患者が海外旅行で準備するモノ

外国という見知らぬ土地では生活のリズムが崩れやすくなり、思わぬトラブルが起きる可能性があります。事前準備を整え、ゆとりある日程を組むようにしましょう。

糖尿病患者ならではの持ち物リストは以下になります。

  • 糖尿病IDカードまたは診断書や処方箋(英文)
  • インスリンの携帯証明書
  • 海外の専門機関への紹介状
  • 糖尿病であることをあらわすブレスレットやネックレスなど
  • インスリン製剤
  • 注射器
  • 経口糖尿病薬
  • 血糖の自己測定器
  • グルカゴンの注射セット
  • 尿糖やケトン体の試験紙

旅行用カバン

糖尿病IDカード・英文カードの入手方法

中でも薬物療法をされている方に携帯してもらいたいカードが「糖尿病IDカード」と「英文カード」です。

このカードがあれば、低血糖や交通事故などの緊急時に 周囲の人や医療関係者に自身が糖尿病であることを知らせ、 適切な処置が受けられます。

これらのカードは日本糖尿病協会が無料で提供しています。また、製薬会社が作成した手帳や、医療機関が独自に作成した糖尿病手帳(糖尿病健康手帳)もあります。必要な方は主治医の先生に相談すると良いでしょう。

機内に持ち込みたいモノ

リストに挙げた物品や書類は、いずれも糖尿病によって起きる可能性のあるトラブルを未然に防ぐ必需品です。インスリン製剤、注射器、経口糖尿病薬、血糖の自己測定器、グルカゴンの注射セット、尿糖やケトン体の試験紙は、手荷物にして機内に持ち込むことも可能です。

低血糖を起こした際に必要なブドウ糖やスティックシュガーも、常に手元に用意しておきましょう。インスリン製剤の量は西回りと東回りで調整する必要があるので、あらかじめ主治医から指示をもらうと良いでしょう。

機内食を糖尿病食にチェンジできる!?

現在は多くの航空会社の機内食で糖尿病食を提供しており、脂肪分の少ない赤身の肉や、繊維質の多い食物、新鮮な野菜、フルーツ、パン、シリアルのミールなどが出てきます。

糖尿病食の基本は1日あたり1,200kcalに設定されています。糖尿病患者は日頃から料理を少し残すことが多いですが、機内の糖尿病食に限っては全部食べてもカロリー的には問題ありません。

受付期間ですが、ANAは24時間前まで、JALはホームページだと25時間前まで、電話やメールの場合24時間前までとなっています。※2020年10月

現在特別機内食の受付は各航空会社によって若干の違いがあるので、事前の確認をオススメします。また、時差がある場合は食事のとりすぎに注意してください。

糖尿病患者さんと旅行

海外での医療保険はココが必須

もしも海外で糖尿病の治療を含め、何らかの医療を受けることになった場合、大抵は最初に自腹(現金)で全額支払うことが多いです。

その後、保険会社から契約時に交付された診断書に記入し、帰国後に保険会社に提出することで、払い戻しを受けることができます。

手術・入院といった重病で手持ちの現金が足りない場合は、保険契約書やクレジットカードなどを提示し、医療機関と交渉すれば大抵は医療を受けることができます。

糖尿病治療の場合、カード付帯の保険を利用時は事前に「糖尿病患者」である旨を告知していることがポイントになります。

今後、海外に行く予定の方は、ご自身が加入されているカード会社にこのことを直接確認しておくと良いでしょう。糖尿病の告知していない場合、告知義務違反を理由に免責事由を持ち出される可能性もあるようなので注意が必要です。

まとめ

糖尿病患者の身体はデリケートです。海外旅行は日本とは異なる環境で過ごすことが多く、身体の不調を訴える人が多くいます。

海外旅行の際には海外の医療保険など事前準備をしっかりしておくと、安心かつ楽しく海外旅行できます。

また、海外旅行をする際に不明点・不安な点があるときには主治医、看護師、薬剤師などに相談するようにしましょう。

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