ストレスは治療の大敵?糖尿病治療への取り組み方を見直そう

糖尿病の基礎知識
ストレスは治療の大敵?糖尿病治療への取り組み方を見直そう

糖尿病や高血圧の患者さんは、長いスパンで治療を続ける必要があります。食事制限など日常生活での制約が多いため心に不調を感じやすくもなります。

また、食事制限のストレスからドカ食いに走る患者さんもいます。そこで今回は、糖尿病とストレスの関係を取り上げたいと思います。

糖尿病とストレスの意外な関係って?

糖尿病とストレスの関係

現代社会はストレス社会です。また糖尿病は、食事療法や運動療法などの自己管理を必要とする病気です。ただでさえストレスにさらされているのに、高血糖と向き合い、食事・生活改善するようにと促されると過剰なストレスを抱える人がいます。

適切な自己管理が行えず、罪悪感に悩まされている患者さんも少なくありません。

糖尿病予備軍と診断された人は、「なぜ自分だけが…」と自己嫌悪に陥ったり、怒りを感じたり、憂鬱な気分を持ったまま普段の生活を過ごす人がいます。

ストレスは血糖値上昇にも大きく関係

恐ろしいことに不安や罪悪感などのストレスが高まると、体内でアドレナリンやコルチゾールなどが分泌され、それだけで血糖値の上昇につながります。

ストレスが長く続くと血糖値のコントロールが乱れるという報告があります(糖尿病学会より)具体的な例では糖尿病の患者さんを対象にストレスと血糖値の関係を調査した結果、血糖値が悪化したグループの内44%に、人間関係のトラブル、近親者の死別など大きなストレスを抱えていたそうです。

逆に、血糖値が改善したグループでは約80%の人がストレス無しという回答でした。血糖値の改善はストレスと大きく関係があることが分かります。

糖尿病治療のストレスと上手に向きあおう

現代社会ではストレスは誰もが少なからず抱えています。しかし、血糖値が高いということで、食事療法・運動療法を行うことで新たなストレスが生まれると、さらに高血糖状態が悪化してしまいます。ストレスと上手に向き合う術を身につけることも重要です。

ストレスにならない程度に糖尿病治療の目標を

糖尿病の治療計画はストレスにならない程度に

糖尿病の治療を行う時は完璧を目指さないことが大切です。挫折して治療を放棄するよりも、70点ぐらいの及第点を目指す方が意外と長続きします。もし、失敗したら次の日に取り戻すという程度の気持ちでいると心が軽くなったりしますよ。

治療においては、小さな目標を設定することをおすすめします。「血糖値を1カ月以内に正常にする」「体重を1カ月で10kg減らす」などといった大きな目標を立てると失望感が生まれ、ストレスに結びついたりします。

自分が無理なくできる程度の目標からスタートしてみてはどうでしょうか。

糖尿病の治療は長期的に考えることが大切!

食事の改善や運動をしているのに血糖値が改善されないことがよくあります。そのジレンマから糖尿病治療のやる気を落としてしまう人がいます。血糖値を下げることは重要ですが、数字の変化に一喜一憂しないで、生活改善を長期間行うことで結果はおのずとついてきます

結果が出ないで悩み神経質になりやすい方は、数字に踊らされないで、気持ちをおおらかに持って過ごすことも、長続きする方法の1つです。

一人で悩んでいると、こころの負担が大きくなり症状の悪化につながってしまいます。まずは、信頼できる人に相談してみましょう。同じ病気をもつ患者さんの交流会などに参加し、情報交換するのもよいでしょう。

まとめ

ストレスがあると食生活習慣が乱れることがあります。ストレスの原因を取り除くことがベストですが、少しでも気持ちを楽にする方法を工夫してみましょう。自分と同じ境遇の仲間とグチを言い合うだけでも心がすっきりすることがあります。また、瞑想や呼吸法などは簡単に心を落ち着かせることができます。自分にあったストレス解消法をぜひみつけてください。

糖尿病の治療は、食事などの制限がかかりストレスもたまりやすいです。長期的な目で治療を考えることが大切ですので、思いつめすぎないように糖尿病を改善していきましょう。

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