血糖値が測れるスマートウォッチはどのようにして血糖値を測定しているのでしょうか。また、血糖測定の精度はどれくらい正確なのでしょうか。血糖値が測定できるとうたわれているスマートウォッチの情報と、スマートウォッチで血糖値が測れる仕組みや正確性を解説します。
血糖値が測れるスマートウォッチはこれ
スマートウォッチは腕時計型のデバイスで液晶タッチスクリーンとCPUが搭載されている電子機器です。Googleで「スマートウォッチ 血糖値測定」で検索するとAmazonやオンラインショッピングサイトで複数の商品がヒットします。
いくつかの商品を比較してみましょう。日本製センサーが使われていると説明されているものもありましたが、製品自体はすべて海外製でした。複数ある機能のうちの一つの機能として心拍数や血中酸素測定、睡眠モニターなどとともに、血糖値モニタリングという機能が付随しています。
商品A | 商品B | 商品C | 商品D | |
---|---|---|---|---|
メーカー | AnyC | tantalus | Topaka | dacuoqi |
発売年 | 2024年 | 2024年 | 2023年 | 2024年 |
画面サイズ | 1.91インチ | 1.92インチ | 1.85インチ | 2.1インチ |
製品サイズ | 22×3.5×1.25cm | 26×4.4×1.2cm | 14.8×9.5×2.3cm | 22.5×4.2×1.1cm |
重さ | 60g | 80g | 100g | 50g |
ワイヤレス | Bluetooth | Bluetooth | Bluetooth | Bluetooth |
対応機種 | スマートフォン | - | スマートフォン | スマートフォン |
対応OS | ios,Android | iphone,Android | iphone,Android | AndroidWear2.9 |
特徴 | 天気予報、血圧測定、ストップウォッチ、通話、活動量計 | カロリートラッカー、GPS、運動記録、心拍計 | 活動量計、通話、GPS、歩数、消費カロリー、距離、通話 | 着信通知、健康管理、歩数計、運動モード、酸素濃度 |
参照:Amazon
スマートウォッチで血糖値が測れる仕組みを解説
血糖自己測定器は試験紙に血液を染み込ませ、血液中のグルコースが試験紙の酵素と反応して電流を発生させることで、その電流の強さを測定器が読み取り、血糖値を表示する仕組みです。
Amazonで販売されているスマートウォッチの血糖モニタリングの説明文には「光学血糖センサーを搭載」とありますが詳しい仕組みの説明はありませんでした。
スマートフォンアクセサリーを販売するFIPRIN公式チャンネルの「FIPRIN7262スマートウォッチ 血糖値 測定方法」の動画を確認したところ、スマートウォッチを腕にはめた状態で「血糖」というボタンを押すとmmol/L(血糖値mg/dL=血糖値mmol/L×18)の単位で数値が表示される仕組みでした。
ズバリ、スマートウォッチの血糖値は正確?不正確?
現在、従来の指先に針を刺して血糖値を測定する機器以外にいくつかあります。
FreeStyleリブレ2
血液をスマートフォンと連動して血糖値を表示できるFreeStyleリブレ2が保険適用として使用できる血糖測定器です。FreeStyleリブレ2は、腕に貼った500円玉サイズのセンサーにスマートフォンをかざすだけでグルコース値を表示できます。グルコース値を1分ごとにリアルタイムで測定して低血糖、高血糖の検出が可能です。
中赤外光方式
センサーに指を5秒間触れるだけで血糖値を測定できる技術も開発されています。中赤外光を使用した高輝度のレーザーにより、グルコースの値のみを測定できる仕組みです。まだ製品化はされておらず、今後、血在宅用医療機器としての製品化が期待されています。
光音響方式
デバイスを意味タブにはさみ、特定の光を当てて発生する音をマイクでキャッチすることで血糖値を測定する方法です。この技術はまだ開発段階で今後、非侵襲的に血糖値を測定できる方法として期待されています。
血糖測定機能付きスマートウォッチ
血糖測定機能付きのスマートウォッチに関しては、2024年2月21日にFDA(米国食品医薬品局)により、穿刺せずに血糖値を測定できるスマートウォッチを血糖値の測定に使用しないように注意喚起しています。日本糖尿病学会も2024年4月現在、皮膚に針を刺すことなく血糖値やグルコース値を測定できる医療機器はないと指摘されています。
市場に出回っている血糖測定ができるというスマートウォッチは血糖値を正確に測定できないため、その値をもとにインスリン注射を行うと低血糖や高血糖のリスクがあります。
血糖測定機能をうたうスマートウォッチ(腕時計型デバイス)について
・血糖測定機能をうたうスマートウォッチ(腕時計型デバイス)についてく
・「指に光」で血糖値測定、実用化近付く
・FreeStyleリブレ 2
・光を使って血糖測定から痛みをなくす
まとめ
針を刺さずに腕にはめているだけで血糖値測定が行えるスマートウォッチは痛みがなく血糖値を測ることができ、便利に思えますが、正確な血糖値の測定は保障されていません。インスリン注射を行っている人が血糖値測定にスマートウォッチを使用するのは危険です。
2024年4月現在で、皮膚に針を刺すことなく血糖値を測定できる医療機器はありません。レーザーや光を使用して針を刺さずに血糖値を測れるシステムが開発されているので、今後の製品化が期待されます。