自宅でカンタン!検査キットを利用して糖尿病を予防しよう

糖尿病の基礎知識
自宅でカンタン!検査キットを利用して糖尿病を予防しよう

2015年12月に厚生労働省が発表した「患者調査」によると、糖尿病の患者数は約316万6000人。さらに「国民健康・栄養調査」によれば、男性の約16%、女性の約10%に糖尿病の疑いがあるとか。これは、人数でいうと約1100万人に上ります。

しかし「もしかして糖尿病かも」と思っていても、なかなか病院に行く時間がとれない人も多いのでは。じつは自宅で簡単にできる糖尿病検査があるのです。自宅でできる検査キットや薬局で行う簡易検査を利用して、糖尿病の疑いがあるかを簡単にチェックしてみましょう。

糖尿病かどうかを調べる検査の種類

尿検査と血液検査

糖尿病かどうかを調べる検査には、尿検査と血液検査があります。尿検査では、尿中の糖の量を調べます。職場や学校での定期健診で実施される尿検査では、尿に糖分が含まれていないかを調べるスクリーニング検査を行っています。

血液検査では、血中のブドウ糖濃度を示す血糖値を調べます。ただ、健康な人でも空腹時と食後では血糖値が変化するため、検査前10時間くらいは食事ができません。

血液検査では血糖値だけでなく、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)と呼ばれる数値も重要です。高血糖状態が長期間続くと、血液内の余分なブドウ糖は赤血球のヘモグロビンと結合します。このブドウ糖と結合したヘモグロビンがHbA1cです。HbA1cを調べることで、検査の1~2ヶ月前の血糖の状態を調べることができるのです。

血糖値が高く、さらにHbA1cの数値も高かった場合、ずっと高血糖状態が続いていることになります。

検査についてはこちらの記事で紹介しています。詳しくはこちらの記事をご参考下さい。
早期発見・治療の近道!さまざまな糖尿病検査について知ろう
http://tonyo-ch.com/tonyo-kensa-1

自宅で行えるさまざまな検査キット

糖尿病の自宅検査用キット

尿糖検査・血糖検査・HbA1c検査のいずれも、自宅でできる検査キットとして薬局や通信販売で市販されています。ほとんどの検査キットは購入後、まずセットに入っている検診申込書を記入。それを指定の医療機関などに郵送すると、折り返し検査に必要なキットが送られてきます。

そして説明書の手順に従って、自宅で尿や血液を採取。その検体を再び指定の医療機関などに送ると、数週間後にメールや郵便で検査結果が届くという流れになっています。

検査結果は病院の糖尿病検査と同じ

自宅での検査であっても、実際に検体を調べるは専門の医療機関です。そのため、病院で受診したのと同じ検査結果が得られます。(あくまで検査結果ですので病院で総合的に診てもらうのとは異なります)

検査キットの価格は、検査内容や手続きによってさまざまですが、大体5,000円から15,000円くらいと思っておけばいいでしょう。検査キットなら生活パターンに合わせて自宅でできるので、なかなか病院に行く時間がとれない忙しい人にはぴったり。もし糖尿病に対しての不安があるなら、利用してみてはいかがでしょうか。

薬局で受けられる「糖尿病診断アクセス革命」

病院ではなく薬局で受けられる「糖尿病診断アクセス革命」という簡易検査もあります。2010年10月から、東京都足立区の薬局10店舗で試験的に導入。2012年10月からは、徳島県内の薬局10店舗でも導入されました。指先に針を刺して少量の血を採り、薬局に設置されている検査用の機械にかけることで、HbA1cの値を調べます。

検査にかかる時間は10分程度。自宅でできる検査キットは、診断結果を受け取るまでにかなりの時間がかかりますが、「糖尿病診断アクセス革命」ならその場で結果が分かります。ただ大変残念なことに、今のところ東京都足立区と徳島県でしか導入されていません。

糖尿病用の検査キットの注意点

病院で行う糖尿病検査

注意したいのは、さまざまな検査キットも「糖尿病診断アクセス革命」も、あくまで簡易検査だということ。検査を行う時間帯やタイミングによっては、結果が異なることもあります。そのため、反応が出なかったからといって、糖尿病でないとは限りません。

やはり確実なのは、病院まで足を運んで検査してもらうこと。病院では検査で得られたデータだけでなく、生活習慣をはじめとするさまざまな要因まで含めて、総合的に診断してもらえます。ただ、最初から病院を受診するのは、敷居が高いと感じる人もいるでしょう。そういう場合は、自宅でできる検査キットがいいきっかけとなることも。ぜひ上手に利用したいものです。

まとめ

糖尿病はとにかく早期に発見して、早めに治療を始めるのがベスト。もし自宅でできる糖尿病検査キットで高い数値が出てしまったときには、なるべく早く病院で受診することが大切です。

ただ、病院に行く時間がなかなかとれない方・病院に行くことに気後れするというような方は、まずは検査キットの活用をおすすめします。

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