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医療法人による糖尿病患者のためのコラム2022年5月25日やっぱり食べたい!糖尿病とおやつの上手なつきあい方

糖尿病の治療・予防だからといって禁欲的な食生活を続けていると逆にストレスがたまってしまい、暴飲暴食に走ってしまうという人もいます。甘いものが3度のご飯よりも好きな方もいることでしょう。

おやつは注意事項・食べ方に気をつければ、絶対に食べてはいけないというわけでもありません。ポイントを守れば、楽しいティータイムを過ごせますよ。そこで今回はおやつの上手な食べ方をご紹介いたします。

おやつを食べるための注意ポイントを知ることが大切

糖尿病とおやつのつきあい方

食事後に「甘いものは別腹」ケーキや果物などのデザートをペロリとたいらげる人がいます。また、お菓子がなければ生きていけないと言うほど甘党の人もいることでしょう。

なぜ人は甘いものがなぜ欲しくなるのか!?医学的な考え方では甘い味は、「心と身体をゆるめる働き」があると言われています。仕事や勉強で集中した後に、無性に甘いものが欲しくなる場合は、緊張をほぐしたいと体が訴えているサインでもあるのですね。

これまで甘いモノを好きなだけ食べていた人にとって、血糖値を下げるためとはいえ「甘いおやつは一切禁止」というのは一つの楽しみを失うショックになることもあります。

将来、本格的な糖尿病を発症させないため急激な血糖値の上昇を防ぐには、正しい食生活・おやつの習慣を身につける必要があります。まず、甘いものが血糖値にどのような影響を与えるか確認しましょう。

おやつで一番注意が必要なのはカロリー

甘いものの最大の問題点は「高カロリー」です。具体的な例を挙げるならば、ショートケーキ1切れ分のカロリーを消費するには、1時間以上歩かなければなりません。チョコレートパフェを食べれば、2時間位ウォーキングしなければ消費できません。

甘いおやつを食べたときは、体を動かさないとエネルギーの蓄積・つまり肥満やエネルギーの摂りすぎとなってしまいます。肥満になるとインスリン抵抗性を招いてインスリンの効きを悪くします。

高カロリー食品が多いおやつやスイーツは、血糖値のコントロールの観点からも気を付けなければいけない要素が多いのです。また、ケーキなどのスイーツなどは砂糖が多く含まれていますので、食後の血糖値を急上昇させる原因につながります。

おやつを食べる時に意識したい4ポイント

糖尿病の人がおやつを食べるポイント

糖尿病の治療中は、甘いものノは絶対に食べられない。実はそんなことはありません。食べ方の工夫や食べる甘いものを変えることで、食べることができます。

ポイント1:おやつは昼間に食べよう

私たちの体は、太陽が昇るとともに活動的になり、エネルギー消費も多くなります。一方、日が沈む夜間は翌日に向けてエネルギーをセーブ・修復する時間です。昼間に甘いものを食べれば、エネルギー消費も速やかに行われ、血糖値におよぼす影響も少なくすみます。

ポイント2:お茶やコーヒーと一緒に食べよう

甘いおやつのお供は、お茶や水のように砂糖が含まれていない飲み物にしましょう!コーヒーの場合は、できればブラックがおすすめです。フィンランド国立公衆衛生研究所によると、1日に3~4杯のコーヒーを飲む人はまったく飲まない人に比べて、30%も糖尿病になる確率が低いというデータを発表しています。コーヒー好きの人にはうれしいデータですね。

ポイント3:ゆっくりと味わうことを意識して

甘いおやつをひと口食べたらお茶を飲み、また1口食べたらお茶を飲むという食べ方をぜひおすすめします。3度の食事も同様ですが、ゆっくりと時間をかけて食べると、少量でも満足感を得られます。

毎日甘いものを食べていた方は1日おきに、週に2~3回食べていた方は1週間に1回程度に、徐々に食べる回数を減らしていきましょう。しばらく続けると、自然に体が慣れてきますよ。

ポイント4:おやつにとるものも選ぼう!

おやつを摂るなら、カルシウムを多く含む牛乳・乳製品、ビタミンCが豊富な果物などを召し上がることをおすすめします。これらの食材は、甘いものの中でも比較的血糖値の上昇を抑えることができます。

ただし、甘いフルーツは注意が必要です。「桃」「ぶどう」などはかなり糖分が高い場合も。フルーツの中でのおすすめは「バナナ」です。ビタミンB2、カリウム、クエン酸、メラトニンなどの有効成分を多く含んでいます。ビタミンB2は糖代謝、カリウムは血圧降下、メラトニンは活性酵素を取り除く効果があります。

おやつの基本は「たまに」「少量」!

最後にもう一度、甘いおやつの食べ過ぎはインスリンの作用を低下させ、血糖値を急上昇させます。人間目の前においしそうなものがあれば食べたくなるのは人間の欲望の一つです。おやつ欲にながされないで「適量」を食べるためには、行動面の改善、カロリー計算が重要です。

  • 甘いおやつが食べたいときは80kcal以下を目安にする
  • スナック菓子・加工食品の買いだめはしない!手の届くところに置かない!
  • 一日の摂取エネルギーを計算しながら甘いおやつを食べる
  • 甘い飲み物は控えて、お茶・水などノンカロリードリンクで
  • 3 時のおやつを食べるなら、昼食は控えめに!

まとめ

糖尿病を予防したい人・治療中の人は、日常的におやつを食べるのではなく「たまに」「少量」でとどめましょう!もし、甘いものを食べる時は80kcal以下が目安。具体的にはどら焼き半分、あんパン半分、チョコレート14g、アイスクリーム40gなどなど。

また、甘いおやつを食べるときは、1日の総摂取エネルギーに含まれるという点を忘れずに!その際、「昼間食べる」「ゆっくり味わって食べる」などを選択するのも一つの方法です。注意事項を守りながら楽しくおやつをお召し上がりください。

必ず主治医の先生にご相談ください。
Oasisコラムに関する個別のご質問には応じておりません。また、当院以外の施設の紹介もできかねます。恐れ入りますが、ご了承ください。

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