血糖値スパイクとは?糖尿病予備群が気をつけたい隠れ高血糖

食事療法
血糖値スパイクとは?糖尿病予備群が気をつけたい隠れ高血糖

健康診断では血糖値に問題がなくても、血糖値スパイクと呼ばれる食後の一時的な血糖上昇がみられる場合があります。空腹時血糖の検査では検出されにくい血糖値スパイクの仕組みや兆候、血糖値スパイクを放置した場合に起こるリスクを説明します。糖尿病は人工透析が必要となる主な原因の一つであり、糖尿病へと移行する前の対策が重要です。日常生活で取り入れられる対策を実践し、糖尿病を予防しましょう。

血糖値スパイクって何?仕組みと兆候

血糖値スパイクとは、食後の短時間で血糖値が急上昇し、その後急激に低下することを指します。血糖値の経過をグラフにしたときには、スパイク(鋭い突起)のように表される現象です。

血糖値スパイクの仕組み

通常、すい臓から分泌されるインスリンが血糖値を一定に保ちますが、腎臓の機能が低下してインスリンの分泌量が減少したり、インスリンの機能がうまく働かなかったりすると血糖値を適切に保つことができずに高血糖になります。

体は上昇した血糖値を下げようとインスリンを過剰に分泌した結果、急激な低血糖に陥るという大きな血糖値の変動が起こります。この血糖値の急激な変動が「血糖値スパイク」です。

健康診断で測定する血糖値は空腹時血糖であり、食後10時間以上経過した状態で測定されるため、食後に現れる血糖値スパイクは見逃されやすい現象です。検査では発見できない場合でも血糖値スパイクが起こっている可能性もあります。

血糖値スパイク

血糖値スパイクの兆候

血糖値スパイクの兆候として見られるのは以下の症状です。しかし、症状が強く出ないと自覚症状として現れにくく、本人が気づかないこともあります。

・食後すぐに眠気やだるさを感じる
・食後にイライラする、集中力が低下する
・食後に頭痛がする、冷や汗が出る

・北海道豊浦町 食後の血糖値スパイクにご注意!

食後

血糖値スパイクを放置するリスク

血糖値スパイクが繰り返されることで血管内皮にダメージが加わって、動脈硬化のリスクが高まり、心疾患や脳卒中などを引き起こすこともあります。

さらに、過剰なインスリン分泌の繰り返しにより、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が生じやすくなって、糖尿病予備軍の状態である境界型糖尿病から糖尿病へと移行する可能性が高まります。

・北海道豊浦町 食後の血糖値スパイクにご注意!

心筋梗塞

血糖値スパイクを防ぐには?日常生活でできる対策

血糖値スパイクは、炭水化物をよく食べたり、運動不足だったりする場合に起こりやすくなります。日常生活で次の対策を意識しましょう。

1. 炭水化物を多く摂り過ぎない

麺類+ご飯などのダブル炭水化物の食事は控える。

2.食べる順番を意識する

血糖値の急激な上昇を避けるために、野菜→たんぱく質→炭水化物の順番を意識して食べる。

3. よく噛んで食べる

早食いは血糖値の急上昇を招きやすいため、咀嚼回数を増やして血糖値の上昇を抑えることが大切です。

4. 食後の運動を習慣にする

食後のウォーキングなどの運動は、筋肉による糖の取り込みを促進し、血糖値の上昇を抑えることにつながります。

5. 高GI食品を控える

白米や菓子パン、砂糖入りの清涼飲料などは高GI食品に分類され、血糖値スパイクを起こしやすいため注意が必要です。

6. 十分な睡眠とストレス管理

慢性的な睡眠不足やストレスはホルモンバランスを乱し、血糖コントロールに悪影響を与えます。十分な睡眠をとり、リラックスタイムなどを設けてストレスをため込まないことが大切です。

・社会福祉法人恩賜財団済生会 血糖値スパイクを予防しよう ──糖尿病になる前に対策を!

まとめ

血糖値スパイクは見逃されやすい高血糖ですが、放置すると糖尿病や動脈硬化、心血管疾患へつながります。日々の生活で食べるものや食べ方に注意し、運動習慣や十分な睡眠などの生活習慣の改善に取り組みましょう。食後の眠気や倦怠感、集中力の低下や頭痛、冷や汗などの気になる症状がある場合は、内科、糖尿病内科、内分泌・代謝内科などで相談してみましょう。

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