健康診断の結果が返ってきて、尿検査の蛋白に「+(プラス)」がついているのは、どのような状態なのでしょうか。再検査と言われると不安を感じることもあるでしょう。尿蛋白が出る原因は、腎臓の病気だけとは限りません。一時的な体調の変化で出ることもあれば、治療が必要な病気が隠れていることもあります。
この記事では、尿検査で蛋白プラスはどういう状態なのか、どの程度心配する必要があるか、そして病院を受診すべき目安について解説します。
尿検査で蛋白プラスとはどういうこと?
尿検査での蛋白プラスとは、尿に蛋白が混ざっている状態です。腎臓には血液中の老廃物をろ過して尿をつくる働きがありますが、体に必要な成分である蛋白質は通常は尿中に排出されることはありません。
しかし、腎臓の機能が低下してしまうと、本来は通らないはずの蛋白質が、尿の中に漏れ出てしまいます。
尿検査では試験紙を用いて、尿中にどれくらい蛋白が確認できるかを測定し「(-)マイナス」、「(±)プラスマイナス」、「(+)プラス」などと表されます。それぞれの判定基準と状態は次の表のとおりです。
| 結果 | 判定基準 | 状態 |
|---|---|---|
| - | / | 正常 |
| ± | 15mg/dl | 軽度蛋白尿 |
| + | 30mg/dl | 高度蛋白尿 |
| 2+ | 100mg/dl | 極めて高度の蛋白尿 |
| 3+ | 300mg/dl | |
| 4+ | 1000mg/dl |
どれくらい心配?放置していいの?

尿検査で蛋白が出たからといって、すべてが腎臓病というわけではありません。蛋白尿には、体に一時的な負荷がかかったことで現れるものと、何らかの病気が背景にあるものがあります。
生理的蛋白尿
激しい運動や発熱、ストレス、脱水、寒さ、入浴直後などに一時的にみられる蛋白尿です。原因となる負荷がなくなれば蛋白尿は自然とみられなくなります。立っていると尿蛋白が出て、横になって安静にしていると出なくなる起立性蛋白尿は、学童期から思春期にかけて多くみられるのが特徴です。
病気が原因の蛋白尿
糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、ネフローゼ症候群などの腎臓の病気が原因となるものや、全身の病気が影響し、蛋白尿が出る場合があります。
腎臓の病気が原因で蛋白尿が出ている場合、放置すると腎機能がさらに低下し、将来的に透析治療が必要になるリスクがあるため注意が必要です。また、ほかの病気が影響している場合は、原因に応じた対応が必要になります。
病院は受診すべき?受診の目安
どのような結果が出たら病院を受診すべきなのでしょうか。健康診断の尿検査で尿蛋白が「(±)プラスマイナス」になると、疲れや運動などが要因でたまたま出ていただけなのか、持続的に出ているのかを確認するために再検査が必要です。自覚症状がなくても、まずは再検査を受けましょう。2年連続で「(±)プラスマイナス」の場合も医療機関の受診が推奨されています。
健診受診時に蛋白プラス(+)以上の人は、「(-)マイナス」や「(±)プラスマイナス」の人と比べて末期腎不全になるリスクのほか、心血管疾患による死亡や総死亡のリスクも高いことが言われています。原因に応じた適切な治療を受けることでこれらのリスクを軽減できる可能性があるため、医療機関を受診しましょう。
放置した結果、気づいたときには腎不全が進行してしまう場合もありますので、「忙しいから」「症状がないから」と放置せずに早めの受診が大切です。
日本腎臓学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018
日本腎臓学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023
まとめ
尿蛋白は、運動や発熱、脱水など一時的な体調変化によって出ることもあります。一方で、腎臓やほかの病気が隠れているサインの場合もあります。
糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎などの腎臓の病気は、自覚症状がほとんどないまま進行することも少なくありません。気づいたときには腎機能が大きく低下しているケースもあります。尿検査で再検査や医療機関での精密検査が必要と言われたら、「ただ疲れているだけだろう」「たまたまだろう」などと放置せず、かかりつけ医や内科を受診しましょう。




