「糖尿病」は現代病とも呼ばれる私たちに身近な病気の一つです。2014年に行った国際糖尿病連合(IDF)の調査結果によると、世界の糖尿病人口は3億8,670万人に増加し、約半数は糖尿病の自覚がないと言われています。
糖尿病は別名「サイレントキラー」とも呼ばれ、気付かないうちに病気になっているケースが多いのです。
厚生労働省の調べでは日本国内では患者・予備群は約2,050万人いるといわれています。
そんな糖尿病を予防・改善するためには日常生活の中でどのようなポイントを押さえることが必要なのでしょうか?今回は、糖尿病の改善にも効果的な重要3ポイントを確認していきましょう。
2型糖尿病の主な原因は?
糖尿病は発症要因から大きく「1型」「2型」に分けられます。日本人では糖尿病患者の約90%が2型糖尿病と言われ、「ストレス」「肥満」「運動不足」「暴飲暴食」などのライフスタイルの乱れが主な原因となって起こります。
糖尿病は一度なってしまうとなかなか治りませんが、「糖尿病予備軍」の段階ならまだ間に合います。正しい知識&生活習慣を見直すことで糖尿病の発症を抑えることできます。具体的な行動としては「食事」「運動」「ストレス」の3点に気をつけることで糖尿病を封じ込めることができます。
ポイント1:食事での血糖値コントロール
「糖尿病」と「肥満」は切っても切れない関係です。「肥満」になると、血糖を処理する力が阻害されて、糖尿病を発症するリスクが高くなります。
つまり、肥満にならないことが糖尿病の予防の一つと言えます。糖尿病は、メタボリックシンドロームによって引き起こされる病気の一つです。食生活では過食を避け、標準体重をキープしてください。
糖尿病予備軍の人は白米や麺類などに多く含まれる炭水化物(糖質)の摂りすぎは血糖値を上げることにつながり、糖尿病の合併症である動脈硬化の原因となります。
日本糖尿病合併症学会でも、炭水化物は一般に1日の総摂取エネルギーの50%ぐらいになる量が適量、基本は低カロリー食を謳っています。栄養バランスのとれた食事に切り替えてください。
ポイント2:長く続けられる運動をしよう
運動といってもマラソンやマシンを使った筋肉トレのような激しい運動ではなく、ウオーキングのような軽めの運動で十分です。酸素を十分に取り入れて行う有酸素運動が効果的です。
一日500歩でも1000歩でも意識して多く歩くようにするといったことが糖尿病を抑制します。運動は血糖値を低下させると同時に、肥満の解消に大きな効果があります。また、糖尿病患者がかかりやすい血管合併症などの予防や進行を抑える効果もあります。
運動の効果は翌日くらいまで持続するので、毎日続ける必要はなく、体調や天候の悪い時は休んだり、1日おきでも構いません。
無理して毎日続けるよりも、長く続けることの方がはるかに重要です。ただし1点注意があります。糖尿病患者で運動療法を禁止したほうがよい方もいますので、気になる方は一度医師に相談してください。
ポイント3:ストレスは糖尿病の大敵!
ストレスは糖尿病の天敵で、血糖値を上げると言われています。厚生労働省が行った平成24年度の「労働安全衛生調査(労働者健康状況調査)」では、1カ月間にストレスを感じた人は6割以上、また、睡眠によって休養が十分に取れていない人も3割との調査結果がでています。
心の病を抱えている方は減ることはなく、増加傾向にあります。ストレスは心の病だけでなく、糖尿病発病や症状の進行の大きな原因なのです。人それぞれストレス発散の方法はあるでしょうが、簡単なストレス解消法3つをご紹介します。
その1 自分の話を誰かに聞いてもらう
不満や不安を他人に話すことで、心のモヤモヤを解消することができます。
その2 趣味やスポーツでリフレッシュ!
自分の好きなことに没頭することや体を動かすことはストレス解消になります。特に趣味がない場合には、手軽に散歩やカラオケなどでも心がすっきりしますよ。
その3 朝日を浴びる。毎日の生活リズムを整える。
夜更かしなど不規則な生活もストレスを溜める原因の一つ。毎朝、太陽を浴びることで体内時計が整い、別称・幸せ物質とも言われる神経伝達物質の「セロトニン」 を増やすことができます。
まとめ
日本でいちばん多い2型糖尿病の要因は「過食」「アルコールの飲み過ぎ」「運動不足」「過労」など、生活習慣の悪化・みだれが考えられます。糖尿病治療の基本は、「食事」「運動」「ストレスをためないこと」。
中でも血糖値を上げない食事は最も効果があるので、1日の総エネルギーをきちんと守ったバランスのとれた食生活を意識してください。日常生活のちょっとした注意と工夫で2型糖尿病は誰でも予防できます。
また、糖尿病の改善にも毎日の食事・運動・生活リズムは重要です。まずは、日常生活の中で改善できそうな所から見直すよう心がけるようにしましょう!